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専門医がお勧めする睡眠対策5選

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このグラフはOECDによる主要な33か国の睡眠時間を調べた調査結果になります。
日本は世界ナンバー1の不眠大国であることが分かります。

これは何も日本人が元々睡眠時間の短い民族というわけではありません。

これは日本人の平均睡眠時間の年次推移ですが、およそ50年で1時間近く睡眠時間が減少していることが分かります。

社会変化と共に睡眠時間は減少していますが、人間の体質は数十年で変化するものではなく、日本人は慢性的な睡眠不足の状態に陥りながらそれに気づかずに生活しています。

睡眠不足が人生に与える影響についてはこちらの記事を参照してください。

睡眠の質を高める方法はいくつか存在しますが、その中でも私自身が不眠症の方にいつもお勧めしている比較的取り入れやすく効果も出やすい方法を5つ紹介します。

カフェインは15時まで
就寝2時間前の10分入浴
寝る前1時間の光調整
寝間着は緩めで統一
カーテンは開けて寝る

カフェインは15時まで

カフェインに覚醒作用があることはよく知られていますが、その効果がどのくらいの時間続くのかはあまり知られていません。

カフェインは半減期(その物質や濃度、効果が半分になるまでの時間)がおよそ6時間であり、比較的長時間体内に残っています。
そのため夜間の睡眠の質を高めたい場合、15時以降のカフェイン摂取は控えた方がよいです。

カフェインを含む主な飲み物は以下の通りです
・コーヒー     ・コーラ
・緑茶       ・紅茶
・ウーロン茶    ・栄養ドリンク
・エナジードリンク  など

就寝2時間前の10分入浴

私たちは深部体温(身体の芯の体温)が下がる時に眠気をきたす物質が分泌されるようになっています。

そのため寝る2時間程前に程よく温かい湯船(だいたい40~42℃)に10分程浸かることで深部体温を上げ、その反動を利用しながらその後2時間程かけて深部体温を下げてあげることで夜の入眠が改善されることが分かっています。

寝る前1時間の光調整

寝る前にあまり携帯やテレビの明かりを見ない方が良いというのは多くの方がしっていますが、それよりも影響が大きいのが部屋の照度です。

携帯やテレビの明かり以上に部屋の照明は明るいため、もし可能であれば部屋の照明照度を落としたり間接照明を利用することが望ましいです。

寝間着は緩めで統一

パジャマは緩めで通気性の良いものを選び、ゴムがきついものや靴下の着用は控えるのが良いです。

タイトな服装はそれだけで交感神経が活発になり、なかなか神経が休まりません。また深部体温を下げるためには皮膚の表面から体温を発散させる必要があり、通気性の良いパジャマが理想的です。同様の理由で最も体温を発散する足裏を覆ってしまう靴下の着用はお勧めできません。特に冬場は冷え性で眠れないという方も多いと思います。そういった場合は寝る直前まで靴下を着用し足裏をしっかり温めておいて、布団に入る際に靴下を脱ぐようにするのが理想的です。

カーテンは開けて寝る

夜の睡眠の質を高めるために最も重要なのは朝の過ごし方です。朝太陽の光を浴びることで体内時計をリセット出来れば、おのずと夜の寝入りが良くなり睡眠の質が高まります。

防犯の観点から難しい場合は使えませんが、問題がないようでしたら朝日を浴びて睡眠のリズムを整えられるようカーテンを開けて眠ることをお勧めします。

睡眠の質を高める方法をもっと知りたいという方はこちらの記事も参考にしてみてください。➡鋭意執筆中。

自分で出来る睡眠対策を実施しても、睡眠がなかなか改善しない場合は病院受診をお勧めします。

もしかすると何らかの身体の異常によって睡眠トラブルが発生している可能性もあります。

睡眠薬を使うことに抵抗感がある方も多いですが、最近では依存性のほとんどない睡眠薬も存在するため、睡眠状態が改善するまでの間薬を試してみるというのも1つの選択肢です。

よく勉強している内科医の先生もいないわけではないですが、専門ではないことも多く誤った対応をされることも多々あります。そのため受診される場合は、精神科クリニックの方がお勧めです。

睡眠の困りごとで受診される前に読んでほしい記事➡睡眠薬を処方される前に尋ねておいてほしいたった1つの質問(鋭意執筆中)

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この記事を書いた人

子供3人の子育てに奮闘中の父。総合病院精神科で副科長を務め、様々な精神疾患・メンタルヘルスの問題で苦しむ人々に寄り添ってきた精神科専門医・指導医、精神保健指定医、リエゾン専門医。少しでも多くの人に今よりも生きやすくなってほしい。そんな思いで精神疾患・メンタルヘルスに関する情報を発信しています!

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